Googleが作った生成AIである「Google Gemini」。
すでに使っている方もいるかと思いますが、「これから使ってみたいけど何がスゴイかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は実際にGeminiを使っている筆者が、Geminiの特徴や使い方、メリット・デメリットなどについて解説していきます!
Google Geminiとは?
まずはGoogle Geminiの概要から見ていきましょう。
Google Geminiは名前の通り、Googleが提供するテキスト生成AIサービスです。
元々、Googleのテキスト生成AIは2023年3月に発表された「Google Bard」でした。
2022年11月にOpenAIのChatGPTがリリースされ、数百万人ものユーザーがChatGPTに集中したことから、Googleが急遽リリースしたのがBardでした。
そこから約9ヶ月後の2024年12月により精度の高くなった「Google Gemini」が発表されました。
現在ではGoogle BardからGoogle Geminiへとサービス名が変更となっています。
ちなみにGeminiの読み方は「ジェミニ」だそうです。
また、Geminiには英語で「ふたご座」という意味があるそうです。
次の項目でも詳しく解説しますが、GeminiはGoogleが開発していることから、Googleの関連サービスとの連携が非常に強くなっています。
テキスト生成AIの中ではChatGPT一強のような形となっていますが、Google関連サービスを使うのであればGeminiにも目が離せません。
Google Geminiの主な特徴
続いてGoogle Geminiの主な特徴について解説します。
Google Geminiには主に以下の3つの特徴があります。
- Google関連サービスとの相性が良い
- 最新の情報を検索してくれる
- マルチモーダル処理に対応している
それぞれ詳しく解説していきます。
1. Google関連サービスとの相性が良い
1つ目は「Google関連サービスとの相性が良い」という点です。
Geminiの一番の特徴はやはりGoogleが開発している点です。
Googleは検索サービスはもちろん、クラウドストレージのGoogle DriveやメールサービスのGmailなどを提供しています。
このようなサービスの中にもGeminiの技術が取り入れられているため、Googleのサービスをより便利に利用することができます。
例えばGoogle検索では検索した内容に対しての結果を要約して教えてくれます。
また、Google Driveの有料会員であれば、Google Drive内のPDFファイルなどの要約をGeminiがしてくれます。
このように、GeminiはGoogleが開発していることからGoogle関連サービスとの相性がよく、Geminiを利用することで、これまでよりもGoogleを便利に利用できるようになります。
2. 最新の情報を検索してくれる
2つ目は「最新の情報を検索してくれる」という点です。
テキスト生成AIの代表例でもあるChatGPTは基本的に学習した時点の内容しか回答しません。
(聞き方によっては検索してくれますが、そうでない場合は過去の情報を元に回答してきます。)
一方でGeminiは最新の情報を検索して回答内容に反映してくれます。
この点はGoogleならではの生成AIといえるでしょう。
例えばこの記事を書いている数日前にGoogle純正スマホのPixelシリーズの最新機種として「Pixel9」が発表されました。
このPixel9についてChatGPTに「Pixel9についてまとめてください」と聞いてまとめてもらった内容が以下の通りです。(わかりやすく日付や価格を切り取っています。)
【省略】
発売時期と価格:
Pixel 9の発売時期や価格に関しては、正式な発表が待たれますが、過去のモデルと同様に、競争力のある価格設定が期待されます。【省略】
(出典:ChatGPT)
記事執筆時点ではすでに正式に発表されており、発売日は8月22日、価格も正式な価格が発表されています。
にも関わらず、ChatGPTはまだ発表されていないかのような回答でした。
(省略した部分にもPixel9の特徴っぽいことは書いていましたが、当たり障りのないような内容でした。)
一方でGeminiにPixel9について聞いてみると以下のようになります。
Google Pixel 9は、Googleが2024年8月に発表したスマートフォンです。Pixelシリーズの最新モデルとして、高いカメラ性能やAIによる機能の強化などが特徴です。
(出典:Google Gemini)
このように、Geminiでは最新の情報に基づいて回答してくれます。
歴史的な内容や言語(翻訳)など、不変な内容であればどちらでも回答内容に差はないかと思います。
しかし、最新の情報を取り入れて回答してほしい場合は、Geminiの方が向いているといえます。
3. マルチモーダル処理に対応している
3つ目は「マルチモーダル処理に対応している」という点です。
マルチモーダルとはテキスト以外にも画像や音声、動画などのデータを同時に読み込むことを指します。
Geminiではチャット形式でのやりとりの場合、現時点では写真での入力に対応しています。
特殊な方法を使うことで動画の読み込みも可能なようですが、現時点では一般的では内容です。
マルチモーダルな機能についてはChatGPTなどでも搭載されています。
しかし、Geminiは先ほども書いたようにGoogle検索と連携されていることから、画像から検索を行う際にはGeminiの方が適しているといえます。
Google Geminiの使い方
続いてGoogle Geminiの使い方について解説します。
Google Geminiは主に以下の2つから使うことができます。
- 公式サイト・アプリから使う
- Google検索の検索画面で使う
それぞれ分けて解説します。
1. Google Geminiの公式サイト・アプリから使う
1つ目はGoogle Geminiの公式サイトやアプリから使う方法です。
この方法が一番オーソドックスだと思います。
なお、使い方はパソコン(Web)・iPhone・Androidで異なっています。
それぞれ分けて解説します。
パソコンの場合
まずはパソコンの場合です。
Google Geminiの公式サイトを開きます。
次に右上の「ログイン」からログインを行います。
するとチャット画面が開きます。
画面下のプロンプト入力欄からプロンプトを入力し、チャットを行うだけです。
改行する場合はShiftキー+Enterキーで改行できます。
iPhoneの場合
iPhoneの場合は「Googleアプリ」にGeminiの機能が搭載されています。
そのため、まずはApp Storeで「Googleアプリ」のインストールを行いましょう。
インストールできたらGoogleアカウントでログインを行ってください。
アプリのトップページでは検索バーが表示されているかと思いますが、Geminiを利用する場合は画面上部のグラデーションになっている「◆」をタップします。
するとチャット画面が表示されます。
利用する場合は下部の入力欄にプロンプトを入力することで、利用できます。
Androidの場合
Androidの場合はGoogle PlayストアでGeminiの公式アプリが配信されています。
まずは公式アプリをインストールしましょう。
アプリを開くとGoogleのログイン画面が表示されるため、画面に従ってログインを行います。
するとチャット画面が表示されますので、画面下部の入力欄にプロンプトを入力することで、Geminiを利用できます。
2. Google検索の検索画面で使う
2つ目の方法はGoogleの検索画面から使う方法です。
Geminiは検索した内容に関しての結果を要約してくれる機能があります。
この方法を使うことで、調べたい内容をより素早く知ることができます。
検索結果の画面でGeminiを有効にする場合はSearch Labsの画面で行います。
パソコンでGoogle Chromeを使っている場合は新しいタブの画面を開き、右上のフラスコのようなアイコンをクリックします。
次に「AIによる概要など」の右下の「オンにする」をクリックします。
すると次回の検索から検索結果の要約機能が有効になります。
試しに何か検索してみましょう。
検索したキーワードに関する情報を要約した文章が検索結果の検索バーの下あたりに表示されるはずです。
もし表示されない場合は反映までに時間がかかっている可能性があるため、少し時間をおいたり、キーワードを変えて試してみましょう。
Google Geminiの利用用途と事例
続いてGoogle Geminiの利用用途について解説します。
Google Geminiはこれまで説明してきたように、Googleの関連サービス内で利用したり、画像などと組み合わせて検索したりといった使い方があります。
それ以外の使い方としては以下のような使い方があります。
- YouTubeの動画の内容を要約する
- Webページの内容を要約する
- 回答の口調などを変える
こちらも1つずつ解説していきます。
1. YouTubeの動画の内容を要約する
1つ目は「YouTubeの動画の内容を要約する」という点です。
GeminiではYouTubeの動画の内容を要約してもらうことができます。
方法としては以下のように入力するだけです。
この動画の内容を要約して
【YouTubeの動画のURL】
すると動画の内容を要約してくれます。
さらにスゴイのが、その動画の内容に対しての質問にも回答してくれる点です。
筆者はとある商品を解説する動画で試したのですが、以下の内容を正確に回答してくれました。
- 動画の登場人物
- 商品の価格
- 商品の発売日
このように、単純に動画の内容を要約するだけでなく、その動画の中身についての質問にも答えてくれます。
この機能は動画の内容を短時間で確認したいタイパ重視の方に非常に適した機能だと思います。
2. Webページの内容を要約する
2つ目は「Webページの内容を要約する」点です。
Webページの要約は以下のようなプロンプトで行ってくれます。
このページの内容を要約して
【ページのURL】
基本的にはYouTubeと同じです。
ちなみにChatGPTに同様の質問をしても、曖昧な答えしか返ってきません。
一方でGeminiではその記事の内容をしっかりと理解したような内容が返ってくるため、記事の内容を要約したい場合にはGeminiの方が向いているといえます。
3. 回答の口調などを変える
3つ目は「回答の口調などを変える」という点です。
Geminiでは回答生成後に設定ボタンをクリックすることで回答の再生成ができます。
その際に以下の5つから再生成時の内容を変更することができます。
- 短くする
- 長くする
- シンプルにする
- カジュアルな表現にする
- 専門的な表現にする
ChatGPTでも文字で指示をすればやってくれますが、クリック一つで変えてくれるのはGemini独自の機能といえます。
Google Geminiのメリットとデメリット
続いてGoogle Geminiのメリットとデメリットについて解説します。
Google Geminiのメリット
まずはGoogle Geminiのメリットから見ていきましょう。
Geminiのメリットには以下のような3点があります。
- Google機能と連携されている
- 利用制限がない
- 回答が3パターン生成される
1つ目は「Google機能と連携されている」という点です。
これはここまで何度も解説してきている通りです。
2つ目は「利用制限がない」という点です。
例えばChatGPTやClaudeといった競合のテキスト生成AIは利用制限が設けられています。
そのため、無料版では特に数回やりとりを行っただけで使えなくなることがあります。
一方でGeminiは1日の制限などはありません。
そのため、基本的には無制限で利用できます。
この点は何回も生成してもらう際に大きなメリットといえるでしょう。
3つ目は「回答が3パターン生成される」という点です。
Geminiは回答の右上に表示される「回答案を表示」をクリックすることで、最大3パターンまでの生成を確認することができます。
基本的には内容は同じですが、若干ニュアンスなど、回答内容が異なっていることがあります。
他社のテキスト生成AIでは1つの質問につき1回答しかしてくれないため、この点なGeminiだけのメリットといえるでしょう。
Google Geminiのデメリット
続いてGoogle Geminiのデメリットについて解説します。
Google Geminiには以下のような3点のデメリットがあります。
- 追加機能がない
- 声での会話に対応していない
1つ目は「追加機能がない」という点です。
例えばChatGPTでは「GPTs」という追加機能があります。
GPTsはかんたんに説明するとプログラミングや長文の生成時により専門的な回答ができるようになる機能なのですが、このような類似機能はGeminiにはありません。
そのため、専門的なことをするのであればChatGPTの方が良いかもしれません。
GPTsについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事【2024年8月最新】ChatGPTのGPTsとは?概要や使い方を解説!
2つ目は「声での会話に対応していない」という点です。
例えばChatGPTには音声での会話に対応しています。
これにより、電話をするような間隔でChatGPTに質問をすることができます。
一方でGeminiでは音声会話機能が実装されていません。
(厳密には一部の国の有料会員向けに始まってはいますが、日本で利用することはできません。)
そのため、電話のように音声で会話をしたい場合はChatGPTなどの方が向いているといえます。
Google Geminiの1問1答
Geminiは何ができるの?
一般的なテキスト生成AIでできることは基本的になんでもできます。
Gemini独自の機能としては、Googleの関連サービスと連携した機能や、検索結果の要約機能などがあります。
Geminiは無料で使える?
基本的には無料で使えます。
利用回数などの上限もありません。
Google BardとGoogle Geminiは同じ?
一言で言えば同じです。
厳密にはBardからGeminiになったことで、精度などが向上しています。
まとめ
今回はGoogle Geminiについて、特徴や使い方、メリット・デメリットなどを解説しました。
Google Geminiは誰でも無料で利用でき、検索やYouTubeの動画、記事の内容を要約してくれたりと、Googleならではの機能が詰まったテキスト生成AIです。
ぜひあなたも今日からGeminiを使ってみてください!
参考リンク
- Google Gemini公式サイト
- Googleアプリダウンロードリンク(iOS)
- Google Geminiダウンロードリンク(Android)