テキスト生成AIの王とも言えるChatGPTですが、Web版とスマホアプリ版の2つがあります。
しかし、Web版とアプリ版の違いがわからないかたも多いでしょう。
そこでこの記事では、ChatGPTのWeb版とアプリ版の違いについて、5つの観点からの比較や、それぞれの長所・短所について解説します!
ちなみにChatGPTについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事今さら聞けない、ChatGPTってなに?歴史やできること、注意点を解説!
Web版とスマホアプリ版の概要
まずはWeb版とアプリ版の概要から見ていきましょう。
ChatGPTはブラウザから利用できるWeb版と、スマホアプリをインストールすることで利用できるアプリ版の2つがあります。
ちなみにWeb版はパソコンのブラウザに最適化されている感じですが、スマホのブラウザ(SafariやGoogle Chromeなど)からも利用できます。
基本的な機能はどちらも同じですが、スマホアプリ版にあってWeb版にない機能としては音声認識機能があります。
ChatGPTでは音声入力機能を利用することで、文字を打たずに命令を出すことができます。
また、ChatGPTからの回答に関しても音声読み上げ機能がついており、この機能を利用することで、人と声で会話をするような感覚でChatGPTを使うことができます。
音声読み上げ機能についてはWeb版とアプリ版の両方についているのですが、音声入力機能については記事執筆時点ではアプリ版にしか搭載されていません。
(なお、Web版でもChromeの拡張機能を利用することで使えるようですが、公式には対応していません。)
そのため、音声入力機能を利用したい場合はアプリ版を利用する必要があります。
ではここからはWeb版とアプリ版の長所・短所をそれぞれ見ていきましょう。
(機能ごとの詳しい比較については後ほど行います。)
Web版の長所と短所
まずはWeb版の長所と短所の比較です。
Web版の長所と短所はこのような点が挙げられます。
- 長所
- かんたんに利用できる
- 多くの文字を打ちやすい
- 資料などの添付がかんたん
- 短所
- 出先では使いにくい
- 写真を使いにくい
- 音声入力が使えない
Web版の一番の長所はかんたんに利用できるという点です。
アプリ版はアプリストアからインストールする必要がありますが、Web版はブラウザさえインストールされていればChatGPTにアクセスすることですぐに利用できます。
ちなみにスマホでもSafariなどにブラウザでChatGPTのページを開けばアプリのインストールをすることなく利用できます。
また、パソコンであればキーボードが付いているため、文字を打つ際にはスマホの小さい画面よりも効率的に文字を打つことができます。
さらに、ChatGPTに質問する際にPDFなどを添付できる機能(マルチモーダル機能)を利用する際に、パソコンに保存されているデータを直接ChatGPT上にアップできるという点も長所です。
一方でWeb版の一番の短所は、出先では使いにくい点です。
いちいちパソコンを開いてChatGPTを使わなければいけないため、Web版のみに縛ると非常に使いづらいです。
また、ChatGPTは写真をアップして質問することもできます。
しかし、パソコンではその場で写真を撮って質問することができません。
さらに、先ほども描いたようにWeb版では音声入力が使えません。
これらの点はWeb版の短所と言えます。
スマホアプリ版の長所と短所
続いてスマホアプリ版の長所と短所について解説します。
スマホアプリの長所と短所には以下のような点があります。
- 長所
- どこでも手軽に使える
- 写真をその場で撮影できる
- 音声認識が利用できる
- 短所
- 長文には不向き
- アプリのインストールが必要
スマホアプリ版の1番のメリットはどこでも手軽に使えるという点です。
スマホにアプリさえ入れておけば、いつでもどこでも気軽に利用することができます。
また、写真の撮影をその場でできるため、例えば紙に手書きした文字を文字起こししてもらったり、物の画像を送って答えてもらうといった使い方ができます。
さらに、音声認識も利用できるため、会話のように質問したり、英会話などの学習にもかんたんに利用できます。
一方で短所としては長文には不向きな点です。
パソコンのキーボードには慣れているけれど、スマホのキーボードに慣れていないという方にとってはスマホで長文を打つのは大変かと思います。
そのため、ブログ記事や資料の作成など、ビジネスシーンでの利用は不向きかと思います。
また、アプリ版はApp StoreやGoogle Playからアプリのインストールが必要です。
スマホのストレージがなかったり、回線によってはすぐにインストールできないことがあるため、この点に関しても短所といえるでしょう。
Web版とスマホアプリ版の違い
続いてWeb版とスマホアプリ版の違いを具体的に見ていきましょう。
今回は以下の5つの点で比較していきます。
- インターフェース
- 機能
- 利用シーン
- パフォーマンス
- 料金
それぞれを表で比較すると以下のようになります。
比較点 | 優劣 |
---|---|
インターフェース | 違いなし |
機能 | スマホ版が優勢 |
利用シーン | 様々 |
パフォーマンス | 違いなし |
料金 | スマホ版が優勢? |
ではそれぞれの点について詳しく解説していきます。
インターフェースの違い
1つ目は「インターフェース」です。
インターフェースに関してはWeb版・アプリ版ともに大きな違いがありません。
実際のインターフェースは以下のようになっています。
強いて言えばWeb版に関しては画面が大きい分、左側にチャットの一覧が表示されます。
そのため、様々なチャット別に切り替えて利用できるようになっています。
しかし、アプリ版でも左上のメニューボタンを押せば表示されるため、特に大きな問題ではありません。
また、アプリ版の場合は左下にカメラボタンや写真ボタン、ファイルボタンが表示されています。
アプリ版は写真とファイルが分かれている分、写真とファイルを分けてすぐに選択できるというメリットはあります。
一方でWeb版はファイル選択ボタンのみのため、パソコンの中からデータを探さなければいけません。
Web版でもファイルから写真を選択できるため、特に違いはありませんが、アプリ版の方がよりファイルを探しやすいと言えるでしょう。
インターフェースに関しては以上のように細かい違いはありますが、普通に利用する分には大きな違いはありません。
機能の違い
2つ目は「機能」です。
機能に関してはアプリ版の方が優勢です。
というのも、先ほども書いたようにアプリ版は音声入力機能と写真撮影機能がついています。
そのため、ChatGPTと会話しながら質問などを行えるという点で、アプリ版の方が優れています。
また、写真撮影機能があるため、その場で撮った写真をすぐに質問に利用することができます。
機能に関しては以上の点からスマホアプリ版の方が優れています。
利用シーンにおける違い
3つ目は「利用シーン」です。
利用シーンに関しては人によって異なりますが、筆者的にはWeb版はビジネス用途、スマホアプリ版は普段使いのような感じかと思います。
Web版はパソコンからの利用が主となるため、パソコンを使って仕事をする人にはWeb版の方が向いていると思います。
例えば仕事のメールを作成したり、プレゼンテーションの原稿を書いたりといった場面です。
このような場面では長文を書く必要があるため、パソコンで使えるWeb版が向いています。
また、仕事で使うPDFファイルなどを使ってChatGPTに質問する場合にも、既にパソコンに入っているファイルをすぐにChatGPT上で利用できることから、仕事用途ならWeb版が向いていると思われます。
一方でアプリ版は日常生活の中での利用に向いています。
アプリ版の一番のメリットはスマホで手軽に使える点です。
そのため、日常生活の中でちょっと疑問に思った点などをサクッと聞くような使い方をするのであればアプリ版が向いているでしょう。
また、アプリ版のみの機能である写真撮影機能や音声認識機能も日常生活で使えます。
例えば写真撮影機能を使って手書きで紙に書いた文字を文字起こししてもらったり、音声認識機能を使って英会話の練習ができたりします。
そのため、アプリ版は日常生活に向いていると言えます。
以上のように機能の点では人それぞれではありますが、個人的にはWeb版は仕事、アプリ版は日常生活での利用が向いているでしょう。
パフォーマンスと速度の違い
4つ目は「パフォーマンスと速度」です。
パフォーマンスと速度に関しては両者に遜色はありません。
なお、こちらも強いて言えばパソコンで使うWeb版の方がパフォーマンスが高いかと思います。
筆者の場合、比較的高スペックなパソコンを利用しており、ネット回線は有線接続の光回線を利用しています。
そのため、スマホと比べるとパソコンの方がスペックや回線速度・安定性の点で優れています。
このような点から、パソコンの方が若干ではありますが、パフォーマンスは高いです。
しかし、スマホアプリでも特に問題なく使えるため、パソコンでないとパフォーマンスが悪いということはありません。
以上のことから、パフォーマンスに関しては環境次第ではパソコンの方が優れているものの、スマホ版と遜色ないと言えるでしょう。
料金プラン(サブスクリプション)の違い
5つ目は「料金プラン(サブスクリプション)」です。
料金に関してはアプリ版の方がもしかすると優れているかもしれません。
まず、ChatGPTはWeb版とアプリ版ともに基本的には無料で使えます。
そのため、無料で使うなら両者に違いはありません。
一方で有料プランである「ChatGPT Plus」に関してはアプリ版の方が若干安く使えるかもしれません。
というのも、iPhone版のChatGPTアプリからChatGPT Plusを契約しようとすると3,000円と円表記で表示されます。
一方でWeb版では20ドルとなり、ドル表記です。
記事執筆時点では1ドル=148円程度のため、20ドル=2,956円なので現時点ではWeb版の方が安いです。
しかし、今後円安が進み、1ドル150円を超えた場合はアプリ版の方が安くなります。
もしかするとアプリ版もドル円のレートの変動により変更となる可能性もありますが、現時点では円安が進んだ場合はアプリ版が安いような状態です。
以上の点から、料金に関しては円安が進行するとアプリ版の方が安く契約できるかもしれません。
どちらを選ぶべきか?利用シーンに応じた選択ガイド
ではWeb版とアプリ版、どちらを利用すべきなのでしょうか。
これに関しては当然ではありますが、Web版とアプリ版を併用する形が良いかと思います。
先ほども書いたように、Web版は主にビジネス面で、アプリ版は主に日常生活面で優れています。
ちなみにWeb版とアプリ版はどちらも同じアカウントを利用できます。
また、どちらか1つしか使えないというわけでもありません。
そのため、各利用シーンに応じてWeb版とアプリ版を使い分けると良いでしょう。
スマホアプリ版を利用するうえでの注意点
最後にスマホアプリ版を利用するうえでの注意点について解説します。
それが「偽アプリ」に注意しなければいけないという点です。
アプリストアで「ChatGPT」と検索していただければわかりますが、ChatGPTに似たようなアプリがたくさん出てきます。
偽アプリを利用すると、以下のような問題が起きる可能性があります。
- 個人情報の漏洩
- 勝手に課金される
- 一部機能が使えない
実際に一部のアプリのレビューには「無料だと思ったら課金されていた」という投稿がいくつか見受けられます。
そのため、ChatGPTを模倣したアプリを利用しないように注意しましょう。
ちなみにChatGPTの公式アプリは以下のようになっています。
- アイコン:白地に黒のイラスト
- 開発者名:OpenAI
- レビュー数:App Store→16万件、Google Play→278万件
※レビュー数は2024年8月13日時点
特にレビュー数で本物と偽物を見分けられるかと思います。
間違って偽アプリをダウンロードしないように注意しましょう。
まとめ:Web版とスマホアプリ版を併用して使いこなそう!
今回はChatGPTのWeb版とスマホアプリ版の違いについて解説しました。
Web版とアプリ版には違いはありますが、基本的な機能に関しては大きな違いはありません。
ですので、どちらも併用してChatGPTを使いこなしていきましょう!