テキスト生成AIの王ともいえるChatGPT。
「全知全能の神」のような扱いがされていますが、そんなChatGPTにも苦手なことが存在します。
そこで今回はChatGPTと得意なことと苦手なことをそれぞれ5つずつまとめました。
この記事の内容を知ることで、ChatGPTをより使いこなすことができるようになります。
ぜひ最後までご覧ください!
ChatGPTが得意なこと
まずはChatGPTの得意なことから見ていきましょう。
ChatGPTは以下のような点に関して得意です。
- 情報提供全般
- 文章やプログラムの校正
- アイデア出し
- 言語の翻訳
- 雑談など
1つずつ解説していきます。
1. 情報提供全般
1つ目は「情報提供全般」です。
これは書くまでもありませんが、ChatGPTは情報提供に優れています。
ChatGPTは一般常識から専門分野のかなり深いところまで、ありとあらゆる情報を学習しています。
そのため、基本的にはどんなことを聞いても教えてくれます。
また、曖昧な情報からも答えを導き出してくれます。
例えば以下のような、なぞなぞのような文章から答えを出すこともできます。
質問:公園やビーチにあってさらさらしていて濡らすと形を作ることができるものってなんだっけ?
回答:それは「砂(すな)」ですね。公園やビーチで見かけることが多く、乾いているとさらさらしていますが、水を含むと形を作ることができる特徴があります。
おそらく質問内容をそのままGoogleなどで検索しても出てこないでしょう。
「昔好きだったアニメのフレーズだけわかるけどアニメの名前を忘れた」という場合や「曲の歌詞の一部だけはわかるけど曲名が思い出せない」という場合にもChatGPTに回答してもらうことができます。
2. 文章の校正
2つ目は「文章の校正」です。
例えば「上司や取引先に送りたいメールがあるけれど、正しい日本語が使えているかわからない」というときに使えます。
プロンプトの例は以下です。
以下の文章は上司に送るメールです。
正しい敬語に変換してください。
【メール本文】
伝えたいことを箇条書きにして、その情報を元にメールを作ってもらうこともできます。
例えば以下のような感じです。
以下の点から上司に送るメールを作ってください。
・明日のピクニックについて
・△△公園に行く
・午前9時に○○駅集合
・お弁当は各自持参
・おやつは300円まで
これをChatGPTに伝えればあとはいい感じのメールを作ってくれます。
なお、まれに変な敬語が使われていたり、礼儀が正しすぎるような不自然な文章が生成されることがあります。
特に上の人に送るメールに関してはしっかりと見直ししてから送るようにしましょう。
また、ビジネスの場面では個人情報の漏洩を防ぐため、取引先や自社の名前などを架空のものにしてChatGPTから返ってきた回答を修正してメールで送るようにすることが推奨されます。
ちなみに文章校正についてはGPTsという機能を使うことでより精度が高くなります。
文章校正に使えるGPTsも含めて仕事効率化に使えるGPTsはこちらの記事でまとめています。
関連記事仕事効率化に最適なGPTs10選。今日から大活躍間違いなし。
3. アイデア出し
3つ目は「アイデア出し」です。
ChatGPTは非常に豊かな発想力を持っており、人間では思いつかないようなことを回答してくれます。
そのため、アイデア出しに最適です。
例えば以下のような感じです。
これまでにない新しい発想の天気予報アプリを考えて
回答内容が本当にこれまでにないアプリなのか、実現可能なのか、といった懸念点はありますが、人間では思いつかないようなアイデアを出してもらうことは可能です。
さらに、出してくれたアイデアに対してより具体的に質問していくことも可能です。
例えば出してくれたアイデアに対して、以下のように深掘りしていくことができます。
そのアプリのターゲットは?
どんなシーンで使われることを想定する?
アプリのアイコンはどんなのがいい?
アプリ全体のカラーはどんな感じにする?
このように、どんどん質問していくことで、より具体的なアイデアが出てきます。
また、最後には以下のようなプロンプトを指示することで、これまでの回答内容をまとめてもらえます。
ここまで提案してくれたアイデアをまとめて
4. 言語の翻訳
4つ目は「言語の翻訳」です。
例えば「日本語から英語に文章を翻訳する」というシーンではまだまだGoogle翻訳やDeepL翻訳が主流です。
しかし、ChatGPTの翻訳精度は非常に高く、既存の翻訳ツールを超越する性能だと言われています。
そのため、これからの時代の翻訳はChatGPTに置き換わるといっても過言ではないでしょう。
なお、言語の自然さという点ではChatGPTのライバルである「Claude」というテキスト生成AIの方が優れているという情報もあります。
Claudeについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事Claudeとは?ChatGPTとの違いや使い方、プランなどを徹底解説!
また、ChatGPTは英会話学習をすることもできます。
ChatGPTのスマホアプリ版には電話をするような間隔でChatGPTが利用できる音声認識機能がついています。
この機能を使うことで、ChatGPTと英会話をすることもできます。
ちなみにChatGPTのWeb版とスマホアプリ版の違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事【Web版 vs スマホアプリ版】ChatGPTの使い勝手を徹底比較
5. 雑談など
5つ目は「雑談など」です。
ChatGPTは質問への回答だけでなく、会話も楽しめます。
例えば「最近暑いですね」と聞くと以下のように返ってきます。
最近、かなり暑い日が続いていますね。
夏本番で、熱中症対策や涼しい場所を探すのが重要になってきます。
冷たい飲み物や涼しい服装、こまめな水分補給などで、体調管理に気をつけてくださいね。
涼を取る工夫や、夏の暑さを楽しむアイデアがあれば、ぜひ教えてください!
ここからどんどん会話を続けていくことが可能です。
また、AIなので基本的には何を聞いても大丈夫です。
そのため、あまり人に聞きづらいことや、自分が思っていることに対して正直に回答してほしいときにもChatGPTと雑談することもできます。
「AIと会話する」と聞くとなんだか寂しい気持ちになりますが、悲しい気持ちやイライラした気持ちをChatGPTで解消できるなら個人的にはアリだと思います。
ChatGPTが苦手なこと
続いてChatGPTが苦手なことについて解説していきます。
ChatGPTは以下のようなことが苦手です。
- 最新情報の提供
- 感情の理解と共感
- 複雑すぎる問題解決
- 存在しないものの開発
- 倫理的に問題のある回答
こちらも1つずつ解説していきます。
1. 最新情報の提供
1つ目は「最新情報の提供」です。
ChatGPTは基本的に学習した段階での情報から回答を作成します。
そのため、昨日や今日起こったことを聞いても答えてくれなかったり、無難な回答しかしてくれなかったりします。
例えば新しく発表されたスマホについてです。
数日前にあるスマホが発表されたため、ChatGPTに「(機種名)についてまとめて」と伝えました。
しかし、返ってきた内容には新機種っぽい特徴と「まだ発表されていませんが発表が楽しみですね」というような回答でした。
そのため、最新の情報の回答は苦手です。
なお、「今日のニュースを教えて」や「明日の大阪の天気は?」のように直近の情報を教えてほしい旨を入れれば教えてくれます。
先ほどのスマホの例でも「(機種名)についてまとめて」と伝えたからChatGPTがすでに知っている情報の中からひねり出しただけで、「3日前に発表された(機種名)についてまとめて」と聞けば検索してまとめてくれます。
そのため、最新の情報を教えてほしいときはその情報が最新である旨を伝えるようにしましょう。
また、最新の情報に関してはGoogleのテキスト生成AIである「Gemini」の方が優れています。
Geminiはどんな質問であっても基本的に検索して教えてくれるからです。
Geminiについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事Google Geminiは何がスゴイ?その特徴と活用方法などを解説
2. 感情の理解と共感
2つ目は「感情の理解と共感」という点です。
ChatGPTはAIのため、人の感情を理解することができません。
そのため、文章に含まれる「悲しい」や「うれしい」という言葉から感情を読み取れても、人ならわかるけれどAIには伝わらないような微妙な感情のニュアンスまでは読み取ってもらえません。
感情は「情を感じる」と書きますが、ChatGPTは情を感じることはできないのです。
なお、先ほども書いたように「悲しい」など直接的な表現であれば答えてもらえます。
感情を伝えたいときは直接的な表現を使うようにしましょう。
3. 複雑すぎる問題解決
3つ目は「複雑すぎる問題解決」という点です。
ChatGPTは「できること」の項目でも書いたように様々な問題に対して回答を出してくれます。
しかし、複雑すぎる問題解決はできません。
例えばロケットの開発や大規模な金融システムの開発など、一般公開されていないような深い専門的な知識が必要だったり、様々な要素が複雑に絡み合うような問題です。
このような問題は解決できないため、注意が必要です。
また、専門家が持つ暗黙知や、何年も修行を積んできた職人技などを使わなければできないような問題も解決できません。
ChatGPTはどんな問題でも解決できるわけではないため、注意が必要です。
4. 存在しないものの開発
4つ目は「存在しないものの開発」です。
ChatGPTは基本的に学習した内容から回答を導き出します。
そのため、存在しないものを開発することは不可能です。
例えばドラえもんの秘密道具である「どこでもドア」や「タイムマシン」です。
このようなアイテムは現実世界では存在しないため、ChatGPTでも開発することはできません。
5. 倫理的に問題のある回答
5つ目は「倫理的に問題のある回答」という点です。
ChatGPTは常識的に考えて不適切な内容は回答しないように設計されています。
そのため、倫理的に問題のある内容を質問しても回答してくれません。
倫理的に問題のあるような質問をすること自体ないと思いますが、事実としてそのような回答はできなくなっています。
まとめ
今回はChatGPTの得意なことと苦手なことについてそれぞれ5つずつまとめました。
ChatGPTは非常に万能ではあるものの、できないことも多くあります。
ぜひできることと、できないことを覚えてChatGPTを有効に使ってみてください!