
ChatGPTには様々な機能がありますが、その中に「一時チャット」という機能があります。
しかし、「いつ使えばいいかわからない」「どうやって使うかわからない」という方が多いのではないでしょうか。
実はこの「一時チャット機能」、使い方次第では非常に便利に利用できます。
一方で、知らないとガッカリする注意点ことも。
そこでこの記事では一時チャットの使い方や、いつ使うべきかなどについて解説します。
この記事を読めば一時チャットの達人になれるレベルで網羅できます。
ぜひ最後までご覧ください!
ChatGPTの一時チャットとは?
まずはChatGPTの一時チャットについて概要を解説します。
ChatGPTの一時チャットは一言で言うと「履歴を残したくないけど、ChatGPTを使いたい」というときに使える機能です。
ChatGPTの場合、一時チャットはパソコン(ブラウザ)・スマホアプリの両方から利用可能。
どんな状況でも一時チャットを利用できます。
ChatGPTの一時チャットの使い方
次にChatGPTの一時チャットの使い方について解説します。
実は一時チャットはボタンひとつでかんたんに有効にすることができます。
パソコンの場合
まずはパソコンでChatGPTの一時チャットを利用する方法について解説します。
通常通りパソコンのブラウザでChatGPTを開きます。
次に右上の点線のチャットアイコンをクリックします。

これで設定は完了です。
一時チャットを有効にすると下の画像のような表示に切り替わります。

また、一時チャット中は画面上部に「一時チャット」という表示がされます。

これが表示されていれば正しく一時チャットを有効にできています。
一時チャットを解除したい場合
一時チャットを解除する場合は同じように左側のメニューの一番上にある「新しいチャット」をクリックすれば解除されます。

スマホの場合
以前はスマホのアプリには一時チャットはありませんでしたが、アップデートにより追加されました。
スマホアプリの場合もPCとほぼ同じです。
アプリを起動し、新しいチャットの画面の右上にある点線のチャットアイコンをタップするだけ。

下の画像のように「一時チャット」と表示されれば準備はOKです。

あとはいつものようにチャットを行いましょう。
一時チャットを解除したい場合
一時チャットを解除する場合、左上のペンのようなアイコンをタップすれば新しいチャットに戻ります。

ChatGPTの一時チャットは保存・復元できる?
ChatGPTの一時チャットは保存や復元はできるのでしょうか。
結論から言うと保存・復元できません。
保存・復元は不可
記事執筆時点では、一時チャットで行ったやりとりは、通常のチャットのように保存できません。
PCの場合、画面右上の「…」をクリックすると「アーカイブする」や「プロジェクトに追加する」という項目があります。
通常のチャットでは、ここから各プロジェクトのフォルダやアーカイブへ保存できるため、一時チャットでも一見すると保存できそうです。

しかし、アーカイブもプロジェクトへも保存できませんでした。
「アーカイブする」をクリックしてもアーカイブには追加されません。
また、「プロジェクトに追加する」からプロジェクトを選択しても「会話をプロジェクトに移動できませんでした」というエラーが表示されます。

また、復元もできません。
設定画面などを確認しましたが、一時チャットを復元できる機能は見当たりませんでした。
以上から、一時チャットの内容は保存・復元できないと言えます。
アナログな方法でなら保存可能
先ほどもちょっと書きましたが、「一時チャットをスクショする」というアナログな方法でなら保存が可能です。
少し面倒ではありますが、スクショで保存しましょう。
ちなみに、そのチャットの内容の要点だけを保存したいのであれば、以下のように指示を出すことでまとめてくれます。
ここまでのやりとりの内容を10項目程度の箇条書きでまとめてください。このようにすれば以下の画像のようにチャットの要点をまとめてくれるので、それをスクショすればざっくりとした内容を保存できます。

もちろん指示の内容はカスタマイズしてもらって問題ありません。
ChatGPTの一時チャットでできること・できないこと
では、ChatGPTの通常のチャットでできることと、一時チャットでできることに差はあるのでしょうか。
結論からいうと一部あります。
ただ、そこまで大きな違いはありません。
ChatGPTの一時チャットでできること
まずはChatGPTの一時チャットでできることです。
ChatGPTでは、通常のチャットと同じように以下のようなことができます。
- 基本的なやりとり
- 写真やファイルを使ったやりとり
- ネット検索
- 音声入力
- 「あらゆる学びをサポート」機能
基本的には通常のチャットと同じことができます。
1. 基本的なやりとり
テキストを使ってチャット形式で質問したり、プログラムを書いてもらったりなどはもちろんできます。
2. 写真やファイルを使ったやりとり
写真やファイルを使ったやりとりも可能です。
通常通り、チャット欄の左にある「+」から写真やファイルを追加できます。
GoogleドライブやOneDriveとの連携も可能です。

もし押せないようであれば左上からモデルを選択すれば押せるようになります。

3. ネット検索
ネット検索も可能です。
「ツール」から「Web search」を選択し、指示を出せばウェブ検索した情報を基に回答してくれます。

「今日のニュースをまとめて」のようにリアルタイムな質問をしたところ、正しく答えられていました。
4. 音声入力
音声での入力も可能です。
チャット欄の送信ボタンの左にあるマイクのアイコンをクリックすれば、音声で入力できます。

5. 「あらゆる学びをサポート」機能
最近新たに追加された「あらゆる学びをサポート」機能も一時チャットで利用できます。
ネット検索と同様に「ツール」をクリックするとメニュー内に表示されます。

ChatGPTの一時チャットでできないこと
次にChatGPTの一時チャットではできないことです。
- 画像生成
- Deep research機能
- Canvas機能
- メモリの参照
- 音声会話
- エージェントモード
1. 画像生成
画像生成は利用できません。
一時チャットの「ツール」でも「Create image」が表示され、例文のプロンプトまで表示されるため、一見すると画像生成ができるような気がします。

しかし、実際に指示を出してみると、一時チャットでは画像生成ができないという回答になります。

画像生成したければ、通常のチャットを使うしかなさそうです。
2. Deep research機能
Deep research(ディープリサーチ)機能も一時チャットでは利用できません。
ディープリサーチはChatGPTがじっくり時間をかけて回答を考えてくれる機能です。
通常のチャットであれば以下のように「ツール」欄にDeep researchが表示されます。

一方で、一時チャットでは表示されません。

3. Canvas機能
Canvas機能も一時チャットでは利用できません。
Canvas機能はChatGPTと対話しながらプログラムや長文を共同編集できる機能です。
こちらも通常のチャットでは「ツール」に表示されます。

しかし、一時チャットには表示されません。

4. メモリの参照
メモリの参照もできません。
メモリとはあなたの情報を記憶してくれる情報です。
メモリに記録されることで、質問をしたときに、それまでの情報を元にあなたにあった回答をしてくれます。
関連記事ChatGPTのメモリ機能とは?使い方や上限、クリア方法などを解説
通常ならこのように知っていることを教えてくれます。(個人情報まみれなのでモザイクをかけています)

しかし、一時チャットで同じ質問をしても答えてくれません。

このように、メモリの内容を参照して回答してほしい場合は、通常のチャットを使う必要があります。
5. 音声会話
音声会話もできません。
先ほど「音声入力」はできると書きましたが、「音声会話」はできません。
通常のチャットの場合、送信ボタンをクリックすると音声で会話ができます。

一方で、一時チャットでは「メッセージが空です」という表示になり、音声モードを利用できません。

6. エージェントモード
最近新しく追加された「エージェントモード」ですが、こちらも同様に一時チャットでは利用できません。
Deep researchやCanvasと同様にメニューに表示されなくなっています。
ChatGPTの一時チャットの安全性やセキュリティは高いのか?
ChatGPTの一時チャットの安全性やセキュリティは高いのでしょうか。
結論から言うと、通常チャットよりかは高いと思われます。
理由は以下の3点です。
- 記録が残らない
- メモリに記録しない・参照しない
- モデルの学習に使用されない
1. 記録が残らない
通常のチャットでは記録が残ってしまいます。
そのため、例えば仕事のやりとりなどを行ったチャットを放置していて、アカウントを乗っ取られた場合、情報が漏えいしてしまうことが考えられます。
しかし、ChatGPTの一時チャットでは、ここまで解説してきたように、やりとりは記録に残りません。
アカウントのセキュリティを強化することは重要ですが、万が一ChatGPTのアカウントを乗っ取られても、情報漏えいを防げます。
2. メモリに記録しない・参照しない
一時チャットでのやりとりの内容はメモリに記録されません。
通常のチャットでのやりとりは、ChatGPTが重要だと判断するとメモリに記録されていきます。
その結果、会話の内容によっては、以下のように大量の個人情報を知られてしまうことになります。

しかし、一時チャットの場合はメモリに記録されないため、比較的安全と言えます。
また、一時チャットではメモリの内容を参照されることもありません。
例えば他人に自分のChatGPTのアカウントを使わせる場合、指示の内容によってはあなたの個人的な情報を基に回答される可能性があります。
しかし、一時チャットならメモリの内容を参照しないため、個人情報が回答に利用されることはありません。
3. モデルの学習に使用されない
モデルの学習に使用されない点も安全性・セキュリティが高い理由の1つ。
ChatGPTで一時チャットを有効にすると、以下のような表示がされます。

このように、ChatGPTのモデルの学習に使用されることはないと公言されています。
「安全上の理由から、弊社はこのチャットのコピーを最大30日間保管することがあります。」という文言は引っかかるかもしれません。
しかし、万が一大きなトラブルに発展した場合に使用されるだけで、通常であれば内容を利用されることは恐らくないかと思います。
ChatGPTの一時チャットのメリット
一時チャットのメリットは以下の3つです。
- メモリに記録されない
- チャット履歴に残らない
- モデルの学習に使用されない
1. メモリに記録されない
1つ目は「メモリに記録されない」という点です。
ChatGPTには「メモリ」という機能があり、通常のチャットではやりとりの内容に応じてメモリに記録がされていきます。
ChatGPTを利用していて「メモリが更新されました」という表示が出たこともあるでしょう。
メモリ機能とはあなたにあった回答が生成されるようにAIが記録してくれる機能のこと。
ChatGPTがあなたの情報をメモリに記録してくれることで、質問をした際に、それまでのやりとりを基にして回答してくれるようになります。
関連記事ChatGPTの「メモリを更新しました」の意味。何のメモリを更新してる?
しかし、一時チャットで行ったチャットに関してはメモリに記録されません。
そのため、プライベートな質問など、メモリに記録されたくない場合は一時チャットが便利です。
ちなみにメモリについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事ChatGPTのメモリ機能とは?使い方や上限、クリア方法などを解説
2. チャット履歴に残らない
2つ目は「チャット履歴に残らない」という点です。
こちらは先ほども書いたように、チャット履歴に残さずに質問などがしたいときでも手軽に質問できるようになっています。
例えば仕事の内容について質問するときのように、履歴に残るとよくない質問時には一時チャットを使用すると良いでしょう。
3. モデルの学習に使用されない
3つ目は「モデルの学習に使用されない」という点です。
モデルは簡単に言うとChatGPTの回答を行うAIのこと。
通常のチャットではチャットの内容がモデルの学習に使われているのですが、一時チャットの内容はモデルの学習に使用されません。
そのため、学習に利用されたくないような内容のチャットを行う場合は一時チャットがおすすめです。
なお、通常のチャットでも学習されないように設定することができます。
チャットの内容がモデルの学習に利用されないように設定する方法については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事ChatGPTにチャットの内容を学習させない方法。情報漏えい対策に「モデルの改善」を無効化
ChatGPTの一時チャットのデメリット
続いてChatGPTの一時チャットのデメリットは以下の2点が挙げられます。
- 履歴を参照できない
- チャットを共有できない
- あとから通常のチャットに変更できない
1. 履歴を参照できない
1つ目は「履歴を参照できない」という点です。
先ほども書いたようにChatGPTの一時チャットでは履歴が残りません。
そのため、「やり取りを見返したい」となったときでも、見返すことはできません。
やり取りを見返す可能性があるのであれば通常のチャットでやりとりをして、数日経ってから削除すると良いでしょう。
また、一時チャットの内容は復元することも不可能。
文字通り「一時的なチャット」なので、いいやりとりができたと思っても残すことはできません。
一度消すと二度と復元することはできないため、スクショを撮るなどして保存しておきましょう。
2. チャットを共有できない
2つ目は「チャットを共有できない」という点です。
ChatGPTは1つのチャットを複数人で共有できる機能が標準で実装されています。
しかし、一時チャットのやりとりに関しては共有することができません。
もし友だちや仕事仲間とチャットのやりとりを共有したい場合は通常のチャットを利用するようにしましょう。
3. あとから通常のチャットに変更できない
3つ目は「あとから通常のチャットに変更できない」という点です。
一度一時チャットで始めたチャットは通常のチャットに戻すことはできません。
そのため、上述したようにチャット履歴に残したり、共有したりしたい場合は始めからやり直す必要があります。
通常のチャットでないと使えない機能を使いたい、または今後使う可能性がある場合は通常チャットを利用しましょう。
ChatGPTの一時チャットはいつ使う?
では、ChatGPTの一時チャットはいつ使えばいいのでしょうか。
基本的には「軽く質問をしたいとき」に使うのが良いと思います。
ここまでで説明しているように一時チャットは履歴が残らないチャットです。
そのため、一時的な質問をしたいときに使うと良いでしょう。
他には一時的でなくても以下のような用途で使うのにも適しています。
- 履歴をスッキリさせたい
- メモリやモデルの学習に使われたくない
一時チャット機能はメモリに記録されたり、モデルの学習に利用されないという点も特徴です。
そのため、このような学習に利用されるのに抵抗がある方は一時チャットが向いていると言えるでしょう。
ChatGPTの一時チャットに関する1問1答
ChatGPTの一時チャットとはなんですか?
一言で言うとチャットの内容が履歴に残らない機能です。
ブラウザで言うシークレットモードのような機能です。
ChatGPTの一時チャットのメリットはなんですか?
履歴が残らないこと、モデルの学習に使われないこと、メモリの記録が残らないことです。
ChatGPTの一時チャットのデメリットはなんですか?
通常のチャットには戻せないこと、一度消すとチャットを見返せないこと、共有できないことです。
まとめ
今回はChatGPTの一時チャット機能について解説しました。
履歴の残る通常のチャットと違って一時チャットは履歴が残らないため、非常に手軽に利用ができます。
ぜひあなたも一時チャット機能を使ってどんなことでもChatGPTに質問してみてはいかがでしょうか。
参考リンク
- 一時チャットに関するOpenAIの公式ヘルプページ「Temporary Chat FAQ」
- ChatGPT公式サイト













