テキスト生成AIとして人気のChatGPT。
そんなChatGPTはプロンプトの書き方1つで返答が大きく異なります。
しかし、多くの方が正しくプロンプトを書けていないのが現状です。
そこでこの記事ではChatGPTを提供するOpenAI社の情報を元に、2つのAI資格を持つ筆者がプロンプトの書き方を解説していきます!
ChatGPTのプロンプトの重要性
まずはChatGPTのプロンプトの重要性について解説します。
ChatGPTのプロンプトが重要な理由はChatGPTの回答内容に直結するからです。
ChatGPTはユーザーから入力された内容(=プロンプト)を元に回答内容を出力します。
そのため、プロンプトがしっかりしていないと、回答内容も曖昧なものになってしまいます。
ChatGPTはプロンプトがすべてなのです。
ちなみにプロンプトを書く仕事である「プロンプトエンジニア」という職業も登場しています。
年収は仕事内容や企業にもよりますが、600万円~1,000万円が平均だそうです。
高い求人になると年収5,000万円にもなります。
それほどプロンプトは重要なんです。
極めれば仕事にもなるプロンプト。
ぜひこの記事でコツを理解しておきましょう。
ChatGPTのプロンプトの書き方のコツ
ではChatGPTのプロンプトの書き方のコツについて解説します。
ここではOpenAIの公式FAQサイト内の「Best practices for prompt engineering with the OpenAI API」というページを参考に解説していきます。
上記のページでは8つが紹介されていますが、その中でも特に重要な以下の6つに絞って解説します。
- 最新のモデルを使用する
- 指示は最初に書く
- 指示と例文などを「#」や「"""」で区切る
- 詳細に指示を書く
- 例を挙げて明確にする
- 曖昧な説明をなくす
- 「何をすべきか」を書く
1.最新のモデルを使用する
1つ目は「最新のモデルを使用する」という点です。
ChatGPTはGPT-3.5から始まり、現在ではGPT-4oが主流となっています。
古いモデルを使用しても回答を得ることはできますが、最新のモデルと性能は非常に低いです。
そのため、ChatGPTを利用する場合は最新のモデルを利用しましょう。
ChatGPTの公式サイトや公式アプリの場合、記事執筆時点では自動的に最新のモデルで回答を得られるようになっています。
ただし、公式サイトでログインせずに利用している場合は、GPT-4oよりも少し性能の低いGPT-4o miniしか使えません。
ChatGPTを利用する場合はログインして利用することをオススメします。
関連記事ChatGPTはログインなしでもOK?ログインした方が圧倒的に便利な理由とは
なお、ChatGPTの公式サイトや公式アプリの場合、無料版だと最新のモデルには利用制限があることがあります。
最新のモデルを無料で利用制限なく使いたい場合は「リートン」というサービスがオススメです。
関連記事リートンとは?なぜ無料?概要やできることなどを実際に使って解説
2.指示は最初に書く
2つ目は「指示は最初に書く」という点です。
ChatGPTのプロンプトを書く場合、指示は冒頭に書きましょう。
例えば以下のような形です。
以下の文章を要約してください。
"""
本文
"""
このように書くことで、ChatGPTは指示を認識しやすくなります。
また、指示は一文を短くすると良いでしょう。
例えば「〇〇という文章を敬語に直してください」とするよりも「以下の文章を敬語に直してください」として、改行後に文章を書くとするのが良いです。
ちなみにパソコンで改行する場合はShiftキーとEnterキーを同時に押すと改行されます。
3.指示と例文などを「#」や「"""」で区切る
3つ目は「指示と例文などを「#」や「"""」で区切る」という点です。
ChatGPTに指示を出す場合、指示と同時に例文などを提示することがあります。
その場合は指示と例文とを「#」「"""」で区切ります。
例えば文章を校正してもらう場合です。
例として上司からある連絡が届き、それに対する返信を伝えたいとします。
しかし、正しい敬語が使えているか心配なため、ChatGPTに校正してもらいます。
そんなときは以下のようにプロンプトを書きます。
以下は上司からのメールに返信する文章です。
正しい敬語が使えていない箇所を校正してください。
#メール本文
"""
本文
"""
このように、指示内容とは別にそれを補足する文章を書く場合、見出しとして「#」をつけ、補足の文章を「"""」で囲います。
こうすることでより的確な回答を得ることができます。
ちなみに「#」はShiftキーを押しながら「3」キーを同時に押します。
また、「"」はShiftキーを押しながら「2」キーを押すことで入力できます。
全角(入力時にアンダーバーが出ている)で入力した場合はF10キーで半角にしましょう。
4.詳細に指示を書く
4つ目は「詳細に指示を書く」という点です。
ChatGPTは基本的にはあなたのことを何もわかっていないからです。
例えばあなたが友達Aさんと友達Bさんの3人で話をしていたとします。
そのときにAさんとBさんが2人だけで遊んだときのことを話されても、「2人で遊んだ」ということを伝えてもらえないとあなたは何のことかわからないでしょう。
これと同じようにChatGPTも前提となる情報を教えてもらえないと適切な回答を生成できません。
そのため、何か指示を出す場合にはその背景事情などを伝えてあげる必要があります。
また、出力形式を指定してあげるのも重要です。
例えば「表で」や「〇〇文字で」「画像で」「グラフで」のように、どんな形で出力すべきなのかを指示することも重要です。
このように出力形式を指定することで、よりわかりやすく情報を伝えてもらえます。
5.例を挙げて明確にする
5つ目は「例を挙げて明確にする」という点です。
自分の聞きたいこととともに、例を伝えることで、その情報だけをまとめて出力してくれます。
例えばiPhoneの機種の一覧について聞きたい場合です。
単純に「iPhoneの機種について一覧でまとめてください」としてもいいですが、以下のようにすることでより的確な回答を得られます。
iPhoneの機種について一覧でまとめてください。
#条件
「iPhone14」「iPhone13」のように降順でまとめてください。
各シリーズについて「Pro Max」や「Pro」などのバリエーションも教えて下さい。
このように書くことで自分が得たい情報を的確に出力してもらうことができます。
6.曖昧な説明をなくす
6つ目は「曖昧な説明をなくす」という点です。
例えば文章を書いてもらう際に「長めの」や「小説くらいの」のように書くと曖昧な指示になってしまいます。
そうではなく、「200文字で」や「5行で」のように数字を含めると的確な指示になります。
なお、曖昧な情報がほしいときはもちろん曖昧でも構いません。
例えばなんとなくかわいい動物についてリスト化してほしいとき、「かわいい動物をリスト化して」のように書くこともOKです。
ただし、このときにも「うさぎのようなかわいい動物を10個リスト化して」とすることでより的確な回答を得られます。
7.「何をすべきか」を書く
7つ目は「「何をすべきか」を書く」という点です。
このときのことは「何をしてはいけないか」ではなく、「何をすべきか」を書くということです。
例えば小学生向けにAIの仕組みを解説する文章を書いてもらいたいとします。
そのときに「専門用語を使わずに」や「英語を使わずに」とするのはNGです。
この場合、「小学生でもわかるように一般的な例を交えてAIについて解説してください。」のようにします。
こうすることで、より的確な回答が生成されます。
ChatGPTのプロンプトの例
続いてChatGPTのプロンプトの例を紹介します。
ここまで紹介してきた内容を踏まえて以下の2つの例で紹介します。
- 会議をスムーズに進めるコツを教えてもらう場合
- 上司へのメールに返信する文章を考えてもらう場合
1. 会議をスムーズに進めるコツを教えてもらう場合
まずは「会議をスムーズに進めるコツ」をChatGPTに教えてもらう場合のプロンプトの例文です。
会議をスムーズに進めるコツを教えて下さい。
#条件
会議は3人で行う
対面とオンラインが半々
#出力形式
リスト形式で各項目ごとに1文程度の解説
2. 上司へのメールに返信する文章を考えてもらう場合
続いて「上司へのメールに返信する文章」を考えてもらう場合についてのプロンプトの例文です。
上司から送られてきたメールに関する返信を考えてください。
#上司からのメール
"""
(本文)
"""
#返信に含めたい内容
"""
(内容を箇条書きで記載)
"""
#条件
2パターン作成すること
正しい敬語を使うこと
なお、メールの本文を記載する場合は個人情報や機密事項の漏えいに注意する必要があります。
メールの本文を記載する場合は個人情報や機密事項にフェイクを入れるようにしてください。
関連記事ChatGPTは危険?AI資格を持つプロが安全に使う方法などについて解説
ChatGPTのプロンプトの書き方に関する1問1答
ChatGPTのプロンプトとはなんですか?
ChatGPTに対する指示の文章です。
ChatGPTのプロンプトは重要ですか?
非常に重要です。
プロンプトの内容によって回答内容が大きく異なるからです。
まとめ
今回はChatGPTのプロンプトの重要性や書き方のコツ、例文について紹介しました。
ChatGPTは少し表現や書き方を変えるだけで回答内容が大きく変わってきます。
ぜひあなたもプロンプトをマスターしてChatGPTを使いこなしてみてください!
参考リンク
- OpenAI公式のプロンプトの解説ページ「Best practices for prompt engineering with the OpenAI API」
- ChatGPT公式サイト